【街金は見た!】街金が絶対にお金を貸せない条件《逃げる債務者、回収する債権者の知恵くらべ》
【テツクル半生記】あのころ、ぼくは、若かった。Vol.6
■利息日3回めに振り込まれず・・・
2回め、振込みがありました。
3回め、振込まれてませんでした。
「もしもし、Cさん?」
「ああ、テツクルさん、どうしました?」
「どうしました? じゃなくて、利息振込まれてないんですけど」
「あ! 今日でしたね! すいません! 明日必ず入れておきます」
「頼みますよ」
翌日。入ってません。
「もしもし、Cさん?」
「あ、あー。どうもすいません」
「今日も入ってないんだけど。どうなってんの?」
「すいません、仕事が入ってしまって、時間とれなくて。用意してあるので、明日は必ず入れますから」
「ほんとに?」
「ほんとです」
「次はないよ?」
「大丈夫です」
翌日。入ってません。
「おい、入ってないんだけど」
「あ、ああ……」
「ああ、じゃなくてさ、何なんだよ」
「ええ、ええ……」
「テキトーな返事すんなよ。いつになんだよ」
「……明日には、必ず」
「現金、あるんだよね? ないの? どっち?」
「……あります……」
「絶対明日入れろよ? 絶対だからな」
フラグ立ってます。もうダメなやつです。
電話を切って、そのままCさん宅に向かいます。
エレベーターを降りて、Cさんの部屋に向かう途中、目の端に何か違和感のあるものが入ってきました。前回来たときにはなかった、立派な木の看板が、Cさん宅の数軒先にかかっています。
「なにがし組なんとか一家」
とても分厚い木の看板には、そう書かれていました。文字の部分を彫り、そこに墨を流した本格派です。年季も入ってます。年代物の反社です。
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テツクルさんがマンガになった!
【マンガ版】『ぼく、街金やってます』
第5話 弱肉強食! ザギンでシースー!
https://kkbestsellers.net/n/nb73e77cce164
『ぼく、街金やってます: 悲しくもおかしい多重債務者の現実』
著者:テクツル
東京・池袋で街金を営む著者のもとには、さまざまな多重債務者がやってくる。そして返すあてもないまま借金を重ねていく。そんな彼らの、悲しくも爆笑せずにはいられないさまざまなエピソードを面白おかしく、しかし赤裸々に、街金ならではの視点で紹介。
ほかにも、ブローカー、詐欺師、悪徳業者、反社など、日常生活では出会うことのない人々が続々登場。今まであまり語られることのなかった街金コラムも満載。あなたの知らないお金の世界が見えてくる!